進化する電車シミュレータ

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 男の子が「大人になったらなりたいもの」、第一生命保険が2016年1月に発表した結果によると、「電車・バス・車の運転士」が第4位です。また、1990年代には列車の運転を楽しむゲーム『電車でGO!』が登場。ヒットしました。

 運転士気分を味わえるシミュレータは、鉄道系の博物館でも人気が高い"定番"の展示。それがいま、様々な形に進化しています。

 2016年2月19日(金)にリニューアルオープンしたばかりの東急電鉄「電車とバスの博物館」(川崎市宮前区)では3種類の列車運転シミュレータが導入され、それぞれ異なる方向へ進化を見せています。

親子で一緒に座って楽しめる「電車とバスの博物館」の「キッズシミュレーター」。下は車両デザインの例(写真:2016年2月、恵 知仁撮影)。

「キッ ズシミュレーター」は親子が並んで座り操作することが可能で、鉄道系の博物館では初の導入とのこと。そしてこのシミュレータにはもうひとつ、新しい要素が あります。自分で車両をデザインし、対向列車として登場させることができますが、そのデザインを自宅のパソコンでも行えるのです。

 これにより、車両をデザインするのに現地で順番待ちをせずに済むほか、列車運転シミュレータの開発で知られる株式会社音楽館の代表取締役で、鉄道好きミュージシャンとして有名な向谷 実さんは、その意義を次のように話します。

「家のパソコンが博物館の入口になります」

 現地へ行かずとも、博物館のコンテンツに触れることができるわけです。そしてこれによって、「じゃあ実際に博物館へ行ってみようか」ということにもなるでしょう。そして向谷さんはこの「キッズシミュレーター」について、次のような期待をしているといいます。

「ご自宅でゆっくり、家族一緒に車両をデザインしていただくことで、親子がコミュニケーションする機会になれば」

 車両のデザインは「電車とバスの博物館」ウェブサイトから行え、博物館でプリントアウトし、ペーパークラフトにすることもできます(印刷は1枚200円)。

 ちなみに、このページへ掲載されている画像の下半分は、記者(恵 知仁)がデザインしたもの。車両の色を変えたり、東急電鉄のキャラクター「のるるん」などのスタンプを配置することが可能です。

覚醒剤を所持していたとして、警視庁が覚せい剤取締法違反の疑いで、元プロ野球選手の清原和博容疑者(48)を逮捕したことが2日、捜査関係者への取材で分かった。

 清原和博容疑者は大阪府出身。

PL学園時代は桑田真澄投手とともに1年生から中心選手として活躍。

春夏あわせて5度、甲子園に出場し、2度の優勝を果たした。

13本塁打の甲子園通算最多本塁打記録を持つ。

 プロ野球では西武、巨人、オリックスに所属。

ドラフト1位で入団した西武で新人王を獲得するなど、ホームラン打者として一時代を築き、通産525本塁打を放った。

清原和博容疑者をめぐっては、週刊誌でたびたび薬物使用の噂が報じられていた。

地下鉄の不用品オークション

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札幌市営地下鉄の駅や車両などで不用となった備品が買えるインターネットオークションの入札仮申し込みが始まっています。2月4日(木)午後2時までネットで受け付けています。
駅名標識やヘッドマークなど6点出品

 札幌市営地下鉄は、1972(昭和47)年に開催された札幌冬季オリンピックに向けて整備されたのが始まりです。最初は南北線だけでしたが、東西線・東豊(とうほう)線が開通、現在では全3線が走行しています。

 この地下鉄の不用品のオークションは、札幌市の資産売却の一環として、2010年度から始まり、今回で6回目。最初の3年間は、大きな告知もなかったことから不調に終わった入札もありましたが、2013年度からは札幌市交通局自体の広報も兼ねてPRを拡大したところ、入札数は3倍近くに、落札額も合計で20万円を超えるオークションになりました。

 これまでの5年間で、最も値が高くついたのが「地下鉄6000形車両ヘッドマーク」と「地下鉄6000形・3000形車両市標セット」で、共に5万円で落札されました。


 今年出品されているのは、「地下鉄駅ホーム駅名標識1(東豊線大通駅)」「地下鉄駅ホーム駅名標識2(西11丁目駅)」「地下鉄駅出入口案内表示板1(大通駅)」「地下鉄駅出入口案内表示板2「ひばりが丘駅」」「地下鉄6000形・2000形車両市標セット」「地下鉄6000形車両ヘッドマーク」の計6品です。

 札幌市交通局事業管理部によると、「6000形は2008(平成20)年に、2000形は1999年(平成11)年に走行を終えていますので、貴重な市標・ヘッドマークだと思います。駅名標識は7年前まで使っていたもので、案内表示板はさらに古いものになります」とのこと。

 鉄道マニアの存在は広く知られていますが、札幌市営地下鉄が大好きな人にとっては垂涎もののオークションといえるでしょう。

 オークションの入札に参加するには、インターネット上での申し込みが必要です。2月19日(金)午後1時から2月26日(金)午後1時まで正式な入札を行い、その後、落札者が決まり次第、入札参加者には入札結果が電子メールで伝えられます。

 詳しくは、札幌市交通局のYahoo!JAPAN官公庁オークション案内ページを参照ください。

米サンフランシスコ最大のタクシー会社イエローキャブ協同組合は22日、連邦破産法第11条の適用を申請した。ウーバー・テクノロジーズやリフトなどの配車アプリ会社が急速に台頭する中、従来のタクシー会社が相次いで破産を申し立てている。  イエローキャブのパメラ・マーティネズ社長は裁判書へ の提出書類で、同社が多数の難題に直面していると表明。具体的には、多くの事故関連の請求・責任や利用客数の急減のほか、ウーバーやリフトなどの新興のア プリベースの相乗りサービス会社との競争や、それらの企業にドライバーを引き抜かれていることを挙げた。  裁判所の書類によると、昨年6月、イエローキャブの事故で身体が部分まひした女性に810万ドル(9億6200万ドル)の損害賠償が認められた。また、 同社によると、約150件、総額で最大10億ドルに上る賠償請求にも直面しているという。  マーティネズ氏は先月、イエローキャブの加入者への書簡で「われわれは深刻な苦境にある。一部はわれわれがコントロールできないビジネス上 の問題が原因で、一部は自らに原因があるものだ」と説明した。  米国では他の地域でも従来のタクシー会社が苦境に陥っており、新興の配車サービスが徐々に市場を侵食。一部タクシー会社は破産に追い込まれつつある。  シカゴのタクシー会社も昨年、金銭的な行き詰まりを理由に破産を申請した。裁判所の書類によると、その一因は「オンデマンドアプリを用いた民間輸送ネッ トワーク」からのプレッシャーにある。また最近、05年の幹線道路事故で脳障害を起こした乗客に対して2190万ドルの損害賠償命じる判決が言い渡されたことも影響した。  ウーバーがタクシー市 場に与える影響を調査するテンプル大学ビーズリー法科大学院のブリシェン・ロジャース准教授は、従来のタクシー会社が新たな競争相手に脅かされているのは 明らかだと指摘する。その結果、破産する企業がさらに増えるとロジャース氏はみている。  ウーバーやリフトなどの新興企業が従来のタクシー会社を脅かしていることは、ニューヨーク市内でタクシーを運営するために必要な営業許可証の価格からも 明白だ。業界推定によると、その価格は13年は130万ドルを超えていたが、昨年は70万〜80万ドルにまで落ち込んでいる。  ロジャース氏は「営業許可証の価値は需要に基づいている。需要が減れば、価値も低下する」と述べた。  タクシー会社は自らの苦境が新興企業のせいであることは、なかなか認めたがらない。ニューヨークのタクシー王として知られるエフゲニー・フリードマン氏 は昨年、自らが運営するタクシー会社の一部について破産法の適用を申請した。同氏の会社が管理する860個以上のタクシー免許のうち、46個が債権者に差 し押さえられるのを防ぐためだ。同氏は裁判所への提出書類で、ハイテクを駆使した企業が同氏の事業に打撃を与えたとの見方を否定した。  しかし、裁判所の書類からは、シティバンクをはじめとする金融機関が「非従来型の配車会社」が従来型のタクシー会社に与える影響を懸念していることがう かがえる。  タクシー会社への融資はこれまで安全とされていたが、大手金融機関は新たな競合のビジネスへの影響を憂慮し始めており、貸し渋りが起きている。  現在の企業価値が5000億ドル以上とされるウーバーは、アプリによる支払いや販促を目的とした無料配車をテコに乗客を引きつけてきた。同社によると、 ウーバーのドライバーの平均賃金は、労働統計局の推計によるタクシーやお抱え運転手の平均時給(チップを含む)をはるかに上回っているという。  ウーバーの広報担当者は21日、「ウーバーなどのアプリは輸送市場全体を成長させている」とし、「これはゼロ・サム・ゲームではない。選択肢が増えるこ とは乗客とドライバー双方にとっていいことだ」と述べた。  この件についてリフトはコメントを控えた。

"泣き虫"元県議・野々村 異例の強制出廷へ

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政務活動費(政活費)約913万円を鉄道運 賃などとしてだまし取ったとして詐欺罪などに問われ、昨年11月に予定された初公判に出廷しなかった元兵庫県議、野々村竜太郎被告 (49)について、神戸地裁が強制的に出廷させることができる勾引状を発付したことが分かった。地裁は、今月26日に開かれるやり直しの初公判も欠席する 恐れがあると判断したとみられる。

 勾引状は複数にわたり出廷しなかった場合に出されることが多く、1回の欠席では異例という。

  初公判は昨年11月24日に予定されていたが、野々村被告は「朝、自宅を出ようとした際、マスコミ関係者とみられる人物と鉢合わせして精神的に不安定に なった」と弁護人にメールで報告し、欠席。刑事訴訟法は被告が出廷しない場合、原則開廷できないと定めており、初公判は延期された。

 刑事訴訟法では、被告が正当な理由なく呼び出しに応じない恐れがある場合、裁判所が勾引状を発布し、出廷させることができると規定。勾引状が出ると、検察や警察が被告を強制的に裁判所に連れて行く。

 野々村被告は2014年7月、不適切な支出を指摘されたことを受けて開いた記者会見で、号泣しながら潔白を主張する姿が話題となった。

26日午前6時50分ごろ、東京都中央区銀座の東京メトロ日比谷線銀座駅構内で煙が発生し、日比谷線は一時、全線で運転を見合わせた。

その後、順次再開し、同9時14分には全線で運転を再開。約6万8千人に影響が出た。東京消防庁によると、けが人はなかった。

 警視庁築地署によると、東京メトロ日比谷線銀座駅構内の出口付近のダクトにあった黒く焦げたほこりから構内に煙が流れていた。

銀座駅ダクト付近は人の出入りが困難で、物を投げ入れることも難しいことから、同署は、たまったほこりが自然発火した可能性もあるとみて、原因を調べている。

鉄道エンタメバー「バー銀座ChouChouPOPON(バー銀座シュッシュッポポン)」が2月1日、銀座8丁目(東京都中央区)にオープンします。

バー銀座ChouChouPOPON 鉄道ジオラマ

 運営するのは鉄道模型店を全国に40店舗運営するポポンデッタ。ポポンデッタが運営するバー銀座シュッシュッポポン......。なんかかわいい。

銀座の鉄道バー 複数のゾーンを用意

 店内16席のバーカウンターには鉄道模型ジオラマが設置され、新旧さまざまな鉄道を眺めながらお酒を楽しむことができます。昭和の銀座を再現した エリアや銀河鉄道の夜を走り抜けるイメージのジオラマなど、いくつかのゾーンが用意されており、店内隅々までライトアップされた8列車が常時走行するそう です。

バー銀座ChouChouPOPON ライトアップの様子

 決まった発車時間になると音楽とともにトレインナビゲーターが走行中の鉄道模型車両を紹介する「鉄道朗読劇」も開催される予定です。

銀座鉄道バー 店内の車両

 メニューには「山手線E235系」や「北斗星EF510」などといった鉄道カクテルをはじめとして、150種類以上のお酒が用意されています。1月中はプレオープン、2月1日からグランドオープンとして本営業開始とのことです。営業時間は月曜日~土曜日の18時~深夜となっています。

鉄道員養成の名門校 意外なライバル出現

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JR上野駅の地上ホームから校舎が見える私立岩倉高等学校は、鉄道従業員を養成する目的として、1897(明治30)年に「私立鉄道学校」として開校した。その後、鉄道界の恩人、岩倉具視公の遺徳にちなんで「岩倉」の二文字を冠して「岩倉鉄道学校」となった。

以来、鉄道の発展に寄与し、数多くの卒業生が鉄道・運輸業界で活躍をしている。現在は、普通科と運輸科の二科体制をとっている。

これまで長く鉄道業界は「男の職場」という雰囲気があった。事実、10数年前までは男性が8割以上を占めていたが、近年は多くの女性の進出がめざましい。本校も時代の流れに沿う形で、2014(平成26)年度から男女共学となった。2016年度からは全学年で共学となる。

全国から入学希望者が集まる

運輸科に入学する動機は実にはっきりしている。鉄道員になりたいという想いだ。鉄道従業員育成を目的とする学校は限られるため、 全国各地から学生が集まる。15歳で寮生活を始める生徒、長野や静岡から通学する「新幹線通学者」、さらには、千葉の房総方面や東京の奥多摩方面から片道 2時間以上かけて通学する生徒もいる。

中学生の段階で鉄道員を志し、寮生活や遠距離通学を決意して、親を説得して入学する。ある意味「熱い生徒」が多いのが特徴である。また、普通科の生 徒の中にも鉄道会社への受験に挑戦する生徒がおり、進路に関して1年生の時から志をもって考えている生徒が多いのも特徴である。

運輸科のカリキュラムでは、高校生として必要な知識である英語や国語などの普通科目を約7割学習し、残り3割が鉄道や観光などの専門科目である。

20年以上前の授業カリキュラムでは、「客貨車」「鉄道施設」など、かなり専門性の高い授業に特化して授業が行われていた。現在 では、そこまでのボリュームはないものの、列車の運転の仕組みやルールを学び、運転シミュレータを活用する「運転業務」、運賃計算の基本を学ぶ「営業概 論」さらに、鉄道車両の構造や施設の構造などを学ぶ「鉄道概論」など、総合的に鉄道に関する学習をしている。

普通科でも鉄道や観光に関する学習が可能な「チャレンジ6」という自由選択プログラムを設け、学生のさまざまな興味・関心に対応している。

2学年時には、科やコースを問わず希望者を対象とした「鉄道実習」というインターンシップを長年に渡り実施してきている。これは、夏季・冬季にJR東日本やJR東海、東京地下鉄、そして2014年度からは東武鉄道・小田急電鉄の協力を仰いでいる。

具体的には駅業務の仕事を体験することで職業意識への興味・関心を持ってもらうことが目的。ありがたいことに、鉄道業界では本校卒業生が数多く活躍しており、さまざまな職場において指導やアドバイスをいただいている。 

地元の「上野駅」も教育の場に

ほかにも、上野新幹線第二運転所への職場見学会、新幹線運転士と生徒による意見交換会も実施している。ここでは、働くことの厳し さや仕事に対してのやりがいや誇りなどについて具体的な話を通じて教えていただき、鉄道へのあこがれだけでは務まらない責任感についても同時に学ばせてい ただく機会となっている。

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また「上野」という学校の立地条件を生かして、吹奏楽部による上野駅構内でのコンサートや鉄道模型部によるジオラマ体験運転会も実施している。ま た、上野の魅力を伝える「上野が、すき。」というWebサイトにて放送部が通信員として活動するなど、上野駅や周辺地域を教育の場として活用させていただ いている。

運輸科の校外学習では、京成電鉄のご協力により車両基地見学を実施。普段は目にすることができない基地内での仕事の様子を見学することで、職業に対する視野を広げる絶好の学習機会となっている。

単なる鉄道好きに終わることなく、仕事という角度から鉄道を見る機会を作ることで、覚悟を持った進路選択の機会になる。ここでも卒業生が案内役を務めていただくなど、世代を超えた交流も行われている。その後、上司と部下という関係になることも少なくない。

2015(平成27)年度の鉄道系進路内定先としては、JR東日本・JR東海などで17名。

私鉄では京急ステーションサービス・京急電鉄で22名、東武ステーションサービス10名など。また、関東鉄道7名など地方鉄道を含めて130名程の生徒が内定をいただいた。2015年度は例年よりも鉄道会社への採用数が多いように感じた。

ここ20年ほどで高校生の鉄道就職事情は大きく変化している。JRが民営化後に高卒採用を再開した当初は、現業職は高卒、総合職 は大卒と明確に分かれていた採用区分が、近年では採用形態の変化により、現業職でも大卒・大学院卒の採用が増加し、高卒の割合が減少している。大学入学者 の増加により、高卒のみの採用では人材の確保が難しくなってきたという採用側の理由もあるだろう。

大学生とも就職時に競合する

高卒採用試験が始まるのは大卒・専門学校生の就職活動が終わってから。しかも、大卒・専門卒のように1人で何社も受験・内定を得ることは高校生にはできない。1人の学生は1社しか応募できない「一人一社制」という採用ルールがあるためだ。

現在では大量採用する企業も少なくなり、鉄道企業に就職することは簡単ではないというのが実情である。それでも、東京都交通局な どの公営企業受験の場合は、社会人経験者と同じ採用試験を受験して、毎年合格者が出ている。高校生でも社会人経験者と同じ試験を受けて合格することは、受 験を希望している1学年下の後輩にとって大きな励みとなっている。

最近の傾向としては、技術職の高卒採用に積極的な企業が多くなっていることである。駅や乗務員など、普段から仕事の様子を目にしやすい職種の人気は高いが、その反面、技術職は志望者が少なくなりがちである。

その対策として、さまざまな鉄道会社が工夫をしている。たとえば、希望職種を2つ申告し、企業側が適性や人員計画によって職種を決定する。また、 「鉄道総合職」という名称の採用枠で、駅や乗務職のみならず、車両整備や施設管理などさまざまな職種を経験していくという形態などである。

このような背景には、実業系高校が減少しているとともに、普通科における進学率も一段と高くなり、高卒で専門課程に限定した技術職採用が難しくなっていることが背景として考えられる。

運転や整備において、ワンマン運転や安全装置の充実、メンテナンスフリーの機器の導入など、この数年で鉄道業界での技術の向上は、めざましく進歩している。その一方で、今後は労働人口の減少、東京オリンピック開催などによって人材の適正配置が困難になる可能性もある。

日本の鉄道には「プロ意識」と「技術伝承」が脈々と伝わっており、これが今日の日本の鉄道・運輸業を支えていると言っても過言ではない。つねに安 全・安定輸送を第一に求められる中で、技術の伝承、そして継続的な雇用と安定した労働環境の構築の継続を願うとともに、これからは日本国内はもとより海外 の鉄道でも活躍できる「人財」を育てていきたい。

わざとゆっくり走る鉄道

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"スピードの経済"が鉄道にもたらす4つの効果

国内では昨春、北陸新幹線が開通し、東京から金沢までの移動時間は2時間半を切るようになった。かつての在来線特急を利用していた時代には、この移動には3時間半ほどが必要だった。

スピードアップは観光客を呼び込む。昨春のゴールデンウイークには、北陸新幹線の利用者は39万人と、一昨年の特急利用者の3倍に増加。金沢城公園と兼六園の入園者は2倍前後に増え、金沢21世紀美術館では過去最多の入館者を記録したという。

日本の大動脈である東京-大阪間でもスピードアップが進む。2014年には、リニア中央新幹線が着工した。現在の新幹線の約2倍の時速500キロ で、東京-名古屋間を約40分で結ぶ計画だ。一方で、昨春のダイヤ改定から、東海道新幹線の最高時速も270キロから285キロにスピードアップした。今 春には、北海道新幹線が開業する。

スピードアップは、事業の収益性向上に貢献する。鉄道会社がスピードアップにしのぎを削るのは、技術者の夢であると同時に、マーケティング上も合理的だからである。

このスピードアップがもたらす経済効果は、鉄道事業だけのものではない。広くビジネス一般において、スピードを上げることから各種の収益向上をうな がす効果が生まれる。これらを総称して、甲南大学教授の加護野忠男氏は"スピードの経済"と名付けている(『〈競争優位〉のシステム』PHP新書、 1999年)。

"スピードの経済"の第1は、顧客価値の向上である。これは、スピードの向上そのものが直接的に顧客の便益を高めるという効果である。

鉄道事業ではどうか。簡単な例題で考えてみよう。2大都市間の移動に8時間を要するC鉄道があったとする。革新的な新型車両の導入により、これが2時間に短縮された。

その利用目的がビジネス上の商談であれ、プライベートの芝居見物であれ、こうしたスピードアップは、C鉄道の顧客を時間的制約あるいは宿泊コストから解放する。これがスピードアップの第1の効果であり、この顧客価値の向上はC鉄道の利用拡大をうながす。

"スピードの経済"がもたらす第2の効果は、投資効率の向上である。これは、スピードの向上による回転率の上昇が投資効率を高めるという効果である。スピードの向上は、利用拡大に加えて、コストダウンを通じても投資効率の向上に貢献するのである。

第2の効果についても、先の例題で確認しておこう。C鉄道ではスピードアップの前には、2都市間で八車両編成の列車を日に1便、トータルで16時間をかけて往復させていた。スピードアップ後も1日当たりの利用客数は変わらないものとする。

ここで従前と同じ旅客輸送量を確保するには、列車の編成を2車両にして、これを4往復させればよい。このように、スピードの向上により回転率が高ま ると、2車両で従前の8車両と同じ輸送量を実現できる。仮にスピードを高めた新型車両の製造に1車両当たり3億円と、従前の車両の3倍のコストを投じるこ とになったとしても、この回転率向上があるので、同じ輸送量の実現に必要な車両製造費用は25%削減される。

"スピードの経済"の第3の効果は、廃棄ロスの減少である。これもコスト面での効果であり、回転スピードが高まれば、商品の廃棄量が減るという効果である。

鉄道の事例でいえば、たとえば車内で販売する弁当の廃棄量である。C鉄道では始発駅と終着駅で弁当を車内に積み込んでおり、その販売期限は車内に積 み込んでから8時間である。従前は、終着駅到着後の弁当の売れ残りは、すべて廃棄しなければならなかった。だがスピードアップを実現した後は、復路での販 売も可能となるし、そもそも8時間をかけて販売する弁当の全量を一度に車内に積み込まなくてもよくなる。多頻度少量の補充が可能となり、当然ながらその廃 棄量は減少する。

そして第4の効果は、切り替えコストの減少である。これは、回転率が上昇すると新商品への切り替えコストが相対的に低下し、タイムリーな新機軸の導入が容易になり、顧客にとっての便益が高まっていくという効果である。

C鉄道では、一定の走行距離を超えた車両については、怠りなく更新している。この場合、スピードアップにより1日に4往復する新型列車は、1往復す る従前の列車の4分の1の期間で新車両に入れ替わっていくことになる。更新の期間が短くなれば、装備やインテリアのトレンドを踏まえた新型車両をタイム リーに投入していくことが可能になり、顧客価値の向上をうながす。

「わざと」ゆっくり走って楽しむ風景と地元の食

以上のような"スピードの経済"は、鉄道事業に限らぬ普遍性のある原則である。とはいえビジネスの世界は、この方向でしか収益が上げられないというほど単純ではない。

鉄道事業をさらに見渡せば、スピードアップ競争に逆行するかのように、何と「わざとゆっくり走る列車」があるのだ。

JR西日本が2017年春の開業を予定している新たな寝台列車「TWILIGHT EXPRESS 瑞風(みずかぜ)」は、その一例である。日本海や大山、そして瀬戸内海の島々の美しい景色を楽しみながら、京阪神と山陰・山陽エリアをめぐる瑞風は、目的 地に急ぐのではなく、車窓を眺めながらの食事など列車でゆっくり過ごす楽しみを提供するのだという。

2015年10月からJR七尾線を走る「花嫁のれん」車両の外観と車内。輪島塗、加賀友禅をイメージした。北陸新幹線開業との相乗効果を狙う。(共同通信社=写真)

さらにJR西日本では、北陸新幹線に接続する新たな観光列車として「花嫁のれん」「ベル・モンターニュ・エ・メール」の運行を今秋から始める。これらも地元の風景を楽しみながら、地元の食も味わう楽しみを提供することが計画されている。

JR各社はスピードアップ競争の裏側で、こうしたスピードを落としたり、ゆっくりと停車したりすることに価値を置く観光列車を、各地で運行したり新 たに運行しようとしている。「東北エモーション」「リゾートしらかみ」「飯田線秘境駅号」「みすゞ潮彩」「しまんトロッコ」等々、今ではホテル列車やレス トラン列車、有名デザイナーによるリノベーション車両や車内での紙芝居上演といった、様々な趣向による各種のスローモビリティを、日本の各所で楽しむこと ができる。

"スピードの経済"が成り立つ一方で、スピードを落とすことが顧客価値を高める。その最大の理由は、より多くを楽しむために、より多くの時間をかけようとする消費の存在である。

劇作家で評論家の山崎正和氏はかつて次のように述べている。

「人間にとつての(中略)不幸は、欲望が無限にあることではなく、それがあまりにも簡単に満足されてしまふことである。食物をむさぼる人にとって、 何よりの悲しみは胃袋の容量に限度があり、食物の美味にもかかはらず、一定の分量を超えては喰べられない、といふ事実であらう。(中略)(そこで)食欲に ついていへば、(人間は)最大限の食物を最短時間に消耗しようとするのではなく、(中略)より多くを楽しむために、少量の食物を最大の時間をかけて消耗し ようとする」(『柔らかい個人主義の誕生』中央公論社、84年)

食事の贅沢は「奇妙な吝嗇」から生まれる、と山崎氏はいう。一片の牛肉を味わうのに、調理に手間をかけ、食器を整え、食卓を飾り、作法と会話に気を 配りながら、おもむろに口に運ぶ。ゆっくり走る列車も同様に、より多くを楽しむために、より多くの時間をかけようとする贅沢な消費のあり方だといえる。

新しい事業を生む、スピードとスローの組み合わせ

"スローダウンの経済"の源泉は、このようにスピードの低下そのものが顧客価値を高めることにある。しかし先に見たように、スピードアップには、投 資効率や廃棄ロスや切り替えコストなどの側面での経済性もある。これらの経済性がスピードの低下によって損なわれてしまうのであれば、スローダウンは、全 体としては採算性の悪い事業を導いてしまう。"スローダウンの経済"の実現には、スピードの低下による顧客価値の向上が見込めることに加えて、以下のよう な条件が一定の範囲で成り立つ必要がある。

●スピードの低下によるコスト削減の効果が、スピードの低下から生じる回転率の低下をカバーする(それなら、スピードダウンしても投資効率が低下することはない)。
●予約販売が成立しやすい(それなら、廃棄ロスはそもそも生じない)。
●トレンドの先端を追うことを顧客が求めていない(それなら、多頻度の切り替えはそもそも必要ない)。

図を拡大
「スローダウンの経済」が成立する条件

"スローダウンの経済"は、単純にスピードさえ落とせば実現するわけではなく、これらの条件を満たせる事業は、実際には多くはない。先に挙げたJR各社による「ゆっくり走る観光列車」でも、単体では赤字となる場合が少なくないようだ。

ではなぜ、かくも多くのスローモビリティを楽しむ列車が、全国各地で運行されたり、新たに計画されたりしているのか。種明かしはこうだ。これらの観 光列車に乗る人の多くは、全国各地から新幹線に乗ってやってくる。その新幹線の稼働率向上も加味すれば、先の赤字がカバーされるケースが増えてくるのであ る。

スローモビリティが拡がる背景には、地域への貢献を目指す鉄道会社の姿勢、さらには列車が走る地元の熱意もある。しかし、それだけでは、脇の甘いビジネスになりかねない。

一見したところ、真逆の論理のように見える、"スピードの経済"と"スローダウンの経済"。だが、両者を組み合わせることで、脇の甘さが懐の深さにつながることは興味深い

日本人は鉄道を熱愛する

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日本を訪れる中国人にとって奇妙に思える事柄の1つに、鉄道ファンの多さがあるかもしれない。

どうして日本には鉄道を熱愛する人がこんなにたくさんいるの か・・・。

中国メディア・捜狐は7日、その謎を解くヒントとなるような紹介記事を掲載した。  記事は、北海道遠軽町にある石北本線の秘境駅・上白滝駅のエピソードを紹介。

現在同駅を利用しているのはある女子高校生1人のみで、この女子高生が卒業 する今年3月に利用者の減少から廃駅となる予定であると伝えた。また、北海道最古と言われる木造平屋の駅舎や、「お別れ」を知らせる張り紙の画像を掲載、 そのノスタルジックな趣に感動する日本のネットユーザーの声も紹介した。

 さらに、日本にはこのような古びた小さな駅が多く残っているとし、無人化した駅で理髪店が営業している福井県小浜市の小浜線加斗駅、古い民家を思わせる 静岡県の大井川鉄道・川根温泉笹間渡駅、木造の旧駅事務室でラーメン屋が営業している北海道・釧網本線の止別駅の様子を写真付きで伝えた。

 そして最後に、「日本に存在する多くの『鉄道オタク』が、鉄道の撮影や列車の音に夢中になるのを見て『何がそんなに面白いのか』と理解できない人は多 い」としたうえで、「夢中にさせているのは実は、自由、自然、愛や人情味へと向かう心情なのではないかと思う」との考え方を示した。

 鉄道の魅力に引き込まれる理由は決して1つだけではなく、それぞれに異なる動機や思い入れを持っているに違いない。

しかし、日本の発展を担い、生活に根 付いてきた鉄道が見せるさまざまな姿に対して、人情的な思いを抱くというのも確かに魅力の1つとして存在するのではないだろうか。